レジオネラ症防止対策

冷却水設備の維持管理

冷却塔設備の維持管理の実際

1.冷却塔水管理

冷却塔は外部から塵や排気ガスが入り込んだり、冷却水が蒸発して腐食性イオンや硬度成分が濃縮されたりするため腐食、 スケール付着、スライム付着等の障害とレジオネラ汚染が発生します。
これらを防ぐためには適切な冷却塔水の管理が不可欠です。レジオネラ属菌が増殖する要因となるばかりでなく、殺菌剤の効果を低下させる原因になるので防止策が不可欠です。

1)濃縮管理とブロー

自動ブロー装置を設置し、冷却水の濃縮を一定に保ちます。適切な濃縮管理は障害の防止に重要であるばかりでなく、節水や省エネ対策にも不可欠です。

2)薬剤処理

レジオネラ汚染を防止するため殺菌剤の使用は不可欠です。また、処理条件に合わせて腐食防止剤、スケール防止剤、スライムコントロール剤等を併用してください。

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2.冷却塔の調査・記録

冷却塔に関して位置と型式と管理の調査を行い、管理シートを作成します。

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3.冷却塔・管理の調査

冷却塔ならびに冷却水の水管は、定期的な化学洗浄を実施してください。また、1カ月に1回以上、定期的に汚れの状況を点検し、必要に応じて清掃や換水を行なってください。 洗浄、殺菌、検査なども適当な頻度を決めて実施し、管理記録として残してください。

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レジオネラ症の監視と対応

1.感染危険因子の点数化

レジオネラ症に対する感染危険度を3要因で点数化(スコア化)しています。
①菌の増殖とエアロゾル化の要因(1~3点)
ⅰ)給湯水など ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1点
ⅱ)浴槽水、シャワー水、水景用水など ・・・・・・・・・・・・・2点
ⅲ)冷却塔水、循環式浴槽など ・・・・・・・・・・・・・・・・・3点
②吸入危険度(1~3点)
ⅰ)開放的環境(屋外など) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・1点
ⅱ)閉鎖的環境(屋内など) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2点
ⅲ)エアロゾル吸入の危険度が高い環境 ・・・・・・・・・・・・・3点
③人側の要因(1~3点)
ⅰ)健常人 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1点
ⅱ)喫煙者、慢性呼吸器疾患患者、高齢者、乳児など ・・・・・・・ 2点
ⅲ)臓器移植後の人、白血球減少患者、免疫不全患者など ・・・・・ 3点

2.レジオネラ症の感染危険因子の点数と推奨される対応

冷却水系のレジオネラ属菌検査の頻度は感染危険因子の点数(スコア)の合計点によって異なります。

感染危険因子の点数
推奨される対応(検査頻度など)
8~9点 常に設備の適切な維持管理に心がける。
1年に最低2回の細菌検査を実施する。
水系設備の再稼動時には細菌検査を実施する。
6~7点 常に設備の適切な維持管理に心がける。
1年に最低1回の細菌検査を実施する。
水系設備の再稼動時には細菌検査を実施する。
5点以下 常に設備の適切な維持管理に心がける。
必要に応じて細菌検査を実施する。
3.検査依頼方法

レジオネラ属菌検査依頼に関しては、最寄りの保健所又は地方衛生研究所に問い合わせるか、抗レジオネラ用空調水処理剤協議会会員会社に相談してください。

4.検査結果の評価と対応

1)エアロゾルを直接吸引する可能性の低い人工環境水

人がエアロゾルを直接吸引する可能性が低い冷却水であっても、102CFU/100mL以上のレジオネラ属菌が検出された場合には、直ちに菌数を減少させるため、清掃、消毒等の対策を講じます。また、対策実施後は検出菌数が検出限界以下(10CFU/100mL未満)であることを確認します。

2)人がエアロゾルを直接吸引する恐れのあるもの(浴槽水、シャワー水等)

レジオネラ属菌数の目標値を10CFU/100mL未満とします。レジオネラ属菌が検出された場合には、直ちに清掃、消毒等の対策を講じ、対策実施後は検出限界以下(10CFU/100mL未満)であることを確認します(屋外設置の冷却塔であっても、建物の外気取り入れ口が接近している場合は環境・吸入危険度が高くなりますので注意を要します)。

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