協議会自主基準及び関連法令

抗レジオネラ用空調水処理剤自主基準

第一条 目的

本自主基準は、衛生上の見地から、建築物における衛生的環境の確保に関する法律第二条による特定建築物(以下「ビル」という)の空調用冷却水におけるレジオネラの増殖を抑制、防止する際に使用する抗レジオネラ用空調水処理剤の有効性、及び安全性の確保を図るために定める。

第二条 適用範囲

本自主基準の適用範囲は、ビルの空調用冷却水に供されるものであって、主目的としてレジオネラの増殖を抑制、防止する効果をうたう水処理剤(以下「抗レジオネラ用空調水処理剤」という)とする。

第三条 有効性の確認

抗レジオネラ用空調水処理剤は、レジオネラに対する殺菌叉は、増殖抑制効果を試験し、効果のあることが確認されていること。また、この時の試験記録は保存しておかなければならない。

第四条 安全性の確認

抗レジオネラ用空調水処理剤については、安全性が次の諸点において確認されていること。

  1. 使用されている成分は、「化学物質の審査及び製造時の規則に関する法律」に基づく既存化学物質叉は公示化学物質であって、「労働安全衛生法」の公表化学物質であること。
  2. 抗レジオネラ用空調水処理剤は、「毒性及び劇物取締法」第二条第1項に規定する毒物であってはならない。
  3. 薬物を空調用冷却水系で使用する際の安全確保のために、以下に示す毒性項目についての試験データを保有することとする。
    この場合、文献資料によるものであってもかまわない。

(1)水処理剤の主成分(レジオネラに対する有効成分)について急性経口毒性及び、急性経皮毒性の試験データを保有する。また、主成分である化学物の特性を考慮し、必要と思われる毒性試験項目(特に皮膚感作性試験等)について出来る限り試験等により、データを保有する。
(2)最終製品に対して、皮膚一次刺激性試験を実施し、データを保有する。試験は、実使用濃度及び、実使用濃度の10倍濃度で行なう。

第五条 表示事項

第二条の抗レジオネラ用空調水処理剤については、下記項目の表示事項を、使用書、ラベル等に記載すること。

  1. 使用法
  2. 保護具に関する事項
  3. 薬品の保管方法
  4. 他の薬剤との混合に関する事項
  5. 事故が起きたときの対処方法・付着、飲み込み等により、人体に異常をきたした場合・薬剤が漏洩した場合
  6.  薬剤の廃棄処理方法
  7. 使用済み容器の廃棄方法
  8. 抗レジオネラ用空調水処理剤協議会に登録がなされている製品であること
第六条 排水による環境汚染の防止

通常の使用において、公共用水域への排水、及び下水道への放流に関して、排水の水質が、それぞれの排水基準を満たせること。

建築物衛生法関連政省令の改正について

平成15年4月1日に『建築物における衛生的環境の確保に関する法律』関連省政令が改正されました。主な改正点は下記の通りです。

  1.  特定建築物における「10%除外規定」の撤廃
  2.  空気調和設備及び機械換気設備における「中央管理方式」の限界解除
  3.   「ホルムアルデヒドの量」の建築物環境衛生管理基準値への追加
  4.  空気調和設備における「病原体による汚染」の防止対策の強化
  5.  建築物環境衛生管理基準の適用を受ける「飲料水」の範囲の明確化
  6. 雑用水規定の新設
  7. ネズミ等の防除方法等の見直し

この改正点の中で冷却塔管理者の方に深く関わりのある部分について、以下にその概要についてご説明致します。

空気調和設備の病原体汚染を防止するための措置

近年、冷却塔等で増殖したレジオネラ属菌の集団感染、空気調和設備に起因する結核の集団感染、冬季の低湿条件下でのインフルエンザの集団感染が起きており、空気清浄装置、加湿装置、冷却塔、ダクト等の空気調和設備の構成機器が、種種の病原体の汚染源となりうることが報告されている。これを防止するためには、空気調和設備のシステム全体の点検・清掃を定期的に実施するとともに、加湿装置や冷却塔の補給水について、雨水や下水処理水ではなく水道水質基準を満たす水を用いるなどの措置を講じる必要がある。このため、空気調和設備の維持管理の基準について、レジオネラ属菌等の病原体によって居室内の空気が汚染されることを防止するための措置を講ずることを新たに追加した。具体的な措置としては下記の5点である。

  1.  冷却塔及び加湿装置に供給する水は、水道法第4条に規定する水質基準に適合すること。
  2.  冷却塔及び冷却水について、当該冷却塔の使用開始時及び使用期間中の1ヶ月以内毎に1回、定期に汚れの状況を点検し、必要に応じ、清掃及び換水等を行うこと。
  3.  加湿装置について、当該加湿装置の使用開始時及び使用期間中の1ヶ月以内毎に1回、定期に汚れの状況を点検し、必要に応じ、清掃及び換水等を行うこと。
  4.  空気調和設備内に設けられた排水受けについて、当該排水受けの使用開始時及び使用期間中の1ヶ月以内毎に1回、定期に汚れの状況を点検し、必要に応じ、清掃及び換水等を行うこと。
  5. 冷却塔、冷却水の水管及び加湿装置の清掃を、それぞれ1年以内毎に1回、定期的に行うこと。

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